心が震える瞬間がある。
仕事で重いタスクをこなした時…
フルマラソンでゴールテープを切った時…
SUPER☆GiRLSというグループがある。アイドルに興味ある人間なら誰もが聞いたことはある、天下のavexがそこそこ力を入れて売り出していたアイドルグループ。
今だとバンドリの前島亜美が昔いたグループって言った方がわかりやすいんだろうか(それはちょっと寂しいな)。ちょっと売れそうになった事もあるが色々あってあまり跳ねずに今に至る。
自分がスパガを初めて見たのは初めての東京遠征に行ったTIF2012のHOTステージ、Zepp DiverCityだった。
当時は福岡のロコドルにバキバキにはまっていて、毎週のように客100人前後のライブに通っていた。年間100公演以上はステージを見たかな？ライブを見に行かない週末は年に数回程度、今考えればよくそんなに通っていたなと思うが周りも同じような人だらけでむしろ自分は少ない方に部類される、一週来ないだけで「あれ？先週いませんでしたよね？オタ卒っすかｗ？」そんな軽口が聞こえる異常な空間で日々を過ごしていた。
そのようなロコドルオタクの自分にとってZeppの広いステージで見るメジャーアイドルSUPER☆GiRLSは衝撃的だった。
キャッチーな曲にわかりやすい振り付け、煌びやかで眩しい衣装に何よりも激可愛いメンバー。こんなドメジャーの凄いグループでもAKBに勝てないんだなと驚いた。それがスパガとの出会い。
それからめちゃくちゃハマって通いつめる…というわけにはいかなかったが、アイドルフェスに行けば優先的に見て、地元でライブある時は見に行った。スパガの絶妙にダサい楽曲と振り付けが大好きだった。
結婚式にもスパガの曲を使った。
この冒頭の宣誓！がブライダルサロンで流れた時はさすがに肝を冷やしたし業者のおっさん勘弁してくれよと思った。
ただ特に好きなメンバーがいるというわけではなかったので握手会に行った事はなかった。そんな感じのスタンスで数年過ごす。
しかしアイドル戦国時代から突き抜ける事は難しく、浅川梨奈を輩出するなどするも低迷期が続き大量脱退が発表された。
地元で行われるライブの箱が年々小さくなるなどヤバいなとは思っていたので、そのニュースを聞いた時は「実質解散か～まぁしょうがないな～」なんて思っていた。しかし一つだけ予想外の出来事が起きる、それが渡邉幸愛の残留。
こうして新メンバーを加え渡邊幸愛をリーダーとしたスパガ第4章がスタートした。自分は当然のようにすっかりと興味を失っていたし同時にアイドルへの情熱も薄れていっていた。
初めて見たZeppのステージに比べたら随分と小さくなった、メンバーも半分以上知らない。今までありがとう、自分の知っているスパガはもういない…それを確認するための作業になると思っていたけど一つだけ変わらないものがあった、渡邉幸愛がセンターにいた。
顔も名前も知らないメンバーを引き連れ「知らない間に変わり行く時代の中、ボクらの未来は輝き始めてる」「本当はまだ不安だけど一度きりの瞬間を正直に生きてたい」と初期の名曲、キラ・ピュア・POWER!を歌っていた。茨の道を選んだ少女が「未来は輝き始めてる」と歌っている姿に涙が零れ…勝手に終わっただの実質解散だの言っていた自分を恥じた。
この出来事をきっかけに再びスパガのライブを見に行くようになる。
一番勢いのあった時期には遠征なんて一度も行った事なかったのに、不思議なものでこの1年ワンマンライブを見るために何度か東京や大阪に遠征に行った。
ワンマンライブで見る渡邉幸愛は凄かった。歌はうまい…MCの回しはスムーズで他のメンバーにバンバンふる…一笑いいただいたと思ったら最後はグッとくる言葉でしめる…グループのお姉さんなんてもんじゃない、他のメンバーの喋りを見守る姿はもはや母親のようであった。
発言の端々から察するに恐らく長くアイドルを続ける気はないのだと思う。10周年を迎え「私は第4章のスパガをスパガ史上一番に愛しています」こう言い切った渡邉幸愛のアイドル人生が素晴らしいものであるといいなと思う。
そんなアホな企画を私はTwitterで馬鹿だなｗなんて茶化しながらもニヤニヤと見守っていくのである。
