腐ったみかん

適当に書きます

今更WUGを見たらめちゃくちゃに面白かった

こんばんWUG~
というわけで2022年1発目のアニメにWake Up Girsl、通称WUGを見た。
2022年にWUGの話をしてもいい。
劇場版は全く見ておらずアニメだけの感想。
 

 

WUGは昔一度見ようとして断念した事がある。
なんとなく暗い?地味?な雰囲気の1話に声優が顔出しで次回予告するのを見て「うおっ…」となり、2話のスパセン営業回で脱落したクチ。
当時はあまりアニメを見ていなかったので、さっきまでアニメのキャラクターが喋ってたのと同じ声で次回予告をする声優を見て「アニメの声って本当に人間が出してるんだ!」という謎の驚きがあった事をよく覚えている。
 
 
2021年に色々とアイドルアニメを見て「そろそろいけるんじゃないか?」と思いWUGを再視聴したら面白くて一気に見てしまった。
昔は見るに堪えなかった露骨なまでのパンチラ描写やスパセン回や悪徳記者に代表されるような大人の悪意については、「架空の物語でもキャラを「人間」として大地に立たせるには、きれいな面だけでなく、汚いところも見せる」という監督の意図を聞いた今となっては理解できる(と言ってもきついのだけど)。
 
 
7 Girls WarになってからのOPは好きで毎回飛ばさずに見ていた、「大きく大きくチェンジ~♪」で手をくるくるして順番に手をシャキーンってするところが好き(ライブverだと一斉にするので少し残念)
久しぶりに見始めたWUGだったが印象は前と同じく地味だった。やっぱり1話は暗いしキャラデザは良い風に言っても素朴で見分けがつかない、そこからスパセンに悪徳記者にとつながっていくのだから当時の自分が視聴をやめるのもわかる(一応地方テレビのレギュラーなどの成功体験はあるのだけど)。
当時のアニメ事情は知らないが作画も良い方ではなかっただろう。
でも最後のライブシーンでは涙が出そうになるほど心に残る作品だった。
 
 
WUGが放送された2014年頃は自分も福岡のローカルアイドルにハマっており、ほぼ毎週ライブを見に出かけ年間150公演くらい見に行っていた。同じローカルアイドルを扱うものなのでどうしてもその頃に重ねてしまう。
客が10人に満たないようなライブハウス…誰も受け取ってくれないビラ配り…やっと決まった地方局のテレビ出演でトチる…どれもこれもあるあるで懐かしくなる。国民的アイドルグループの元センターがいるならもう少し知名度あっても良さそうだけど、(表向きには)スキャンダル起こして辞めたメンバーの扱いはこんなもんか。
あの橋本環奈だって50人に満たない会場で定期公演を行っていてチケット完売していなかったわけだしね。大金は才能や努力ではなく知名度に払われるというインパルス板倉の言葉が思い起こされる。
 
そんな自分の経験と重ね合わせながらメンバーが時に衝突し…挫折し…努力を重ねて成功する姿を見ていくうちに最初は誰が誰かわかんねーよと思っていた彼女達が見分けがつくようになった。
気付けば最初は地味だ素朴だと思っていたお芋ちゃんが三ツ星レストランに出せるようになりどんどん好きになっていたのだった。
 
 
WUGはアイドルアニメには珍しく?男性キャラに魅力があるのが印象的だ。早坂さんは特に好きできっと人気あるキャラだろう。
最初はいけ好かないキザ野郎の途中で裏切るI-1クラブからの差し金だと思っていた。
そんな男がWUGちゃんのポテンシャルを信じてレッスンをして7 Girsl Warを作り最後のライブで「だから言っただろ」と言わんばかりの顔をすると思ったらマジで萌えになってしまう。
 
後は大田さん、自分も例にもれずあの画像でしか知らず変なオタクだと思っていたので作中で善良なオタクで驚いた(ファミレスには迷惑かけるけどね)。少々、いやかなり悪意のある造形のキャラクターだがWUGのテーマの1つである「リアリティ」を構築する上で重要なキャラクターとなっていたのではないか。アウェイだとやたら張り切ってでかい声出したりお揃いのパーカー作ったり…オタクあるあるだ。
冷酷非情だと思ったら白木さんすら最後にWUGのライブを眺める表情を見るとちょっと好きになってしまう。
しかしなんで松田は最後まで徹底的に無能なんだろうか。
 
 
 
作中で特に印象に残ったのは12話のライブシーン。昨今の3DCGをバリバリ使ったアイドルアニメに比べると劣るなんてもんじゃない。誰が誰だかわかんなくなる場面だってある。無駄にきれいな大田さんが出てくる場面はやっぱり笑ってしまう。それでも今まで見たアイドルアニメの中で1,2を争うほどぐっときた。
怪我をしたよっぴーの「まゆ、飛ぶ」には胸が熱くなる。本番前に足を挫き、相手に迷惑をかけ、メンバーにも迷惑をかけダンスを変更したのにそれを無視して飛んでしまう。なんともわがままな話だがあの場面でリーダーが飛ばないのは嘘だよな。
作画もめちゃくちゃでいくらでもツッコミ所のあるラストライブでどうしてこんなに感動するのか、その答えはライブ中の社長の語りにあるのだろう。
「アイドルは物語って話」
「あの子達この一年でたくさんの物語を紡ぎ出したわ。そして今日もまた新しい物語が生まれる」
「私が言うのもなんだけどこれがアイドルなのね」
 
どんなに超絶な作画でもアイドルの紡ぎ出す物語には勝てない、WUGにはアイドルをアイドルたらしめる物語があった。
 
パンチラやスパセン回が悪い意味で話題になり、監督の醜聞もありイメージの良くなかったWUGだが、ちゃんと見てみれば熱狂的なファンがつく理由が良くわかる快作であった。
 
 
じゃっ!劇場版見よっか!!
 
おわりで~す。