腐ったみかん

適当に書きます

「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」を読んで思う気味の悪さ

タイトルの通りひげを剃る。そして女子高生を拾う。というライトノベルの1巻を読んだ。

ランキング上位にもいて既刊4巻なので結構人気があるらしい。文章は読みやすいしストーリーも割といい、絵も可愛かったけどなんだか凄く気味が悪かったので書いていきます。

 

 

ざっくりあらすじを紹介すると、女上司にフラれた主人公がやけ酒を飲んだ帰りに家出少女の女子高生と出会い家に居候させる事になった話。

ヒロインが家出して男の家を転々としている、いわゆる神待ち女子高生。男に泊めてもらう代わりに肉体を提供してきた事が明言されており、ライトノベルには珍しい複数の男性経験ありのヒロイン。神待ちで家出旅している女子高生が「私こう見えて身持ちが固いんです」なんて言い出してもさすがに?となるのだが、こう明言されると気まずいしあとがき見る限り作者も「ウケないだろうな」と思いながら書いたらしい。

 

あらすじをさっと眺めると神待ち女子高生という社会問題に切り込んだ作品のように思えるが中身は普通のライトノベル

家出少女のヒロインは根は素直でいい子だし、フラれた女上司は「人に取られるのは悔しいから」と何かとちょっかいをかけてくる。少女を居候させている事を知った同僚は「お前それやばいぞ」と言いつつも支援をしてく、偶然少女といる所に出くわした後輩の女性なんかは説明を聞いた途端「先輩なら大丈夫でしょ」みたいなよくわからない絶大なる信頼を寄せてくれる。

家出をして体を使って宿を手に入れているようなヒロインはもっと悲壮感があるのでは?とも思うが自分は家出の経験がないので実際の所はわからない。意外とそういう事をする人も話してみたらいい子だったり(いわゆる)普通の生活をしていたりするとも聞く。なのでこれに関してはまぁ納得する。

会社の人間の異常なまでの優しさと主人公に対する信頼は26歳の男が家出少女を居候させてる事を知った会社の人間の反応としては気味が悪すぎる。

 

主人公は少女からの誘惑を「ガキには興味ねえ」と一蹴する、"カッコいい大人"の余裕を見せるが未成年の少女を居候させる事は良しとするイカれた倫理観の持ち主。ライトノベルなので当然モテにモテる。

何より主人公が父性に溢れすぎているように思う。時折説教をするものの家事さえやってくれればいくらでも女子高生が居候する事を許容する26歳会社員、あまりにもファンタジーすぎる。

 

一般小説(これでいいのか?)であれば神待ち女子高生の話なんてありふれたものなんだけど、ライトノベルのフォーマットに当てはめるだけでこんなにも気味が悪いものになるんだと驚いた。

 

でもまぁこうやって文句言いたくなる程度は興味が続くライトノベルだったな。