少年サンデーで連載してる葬送のフリーレンがめちゃくちゃ面白いと聞いたので試し読みを読んでみたらいや～面白い、サンデーはコナン一本かと思ってましたがこんなに面白い漫画連載してるとは知らなかった。思わず単行本買いました。
というわけでいますぐ試し読みを読みましょう！！
と言った所ですぐさま読む人は中々少ないと思うので魅力を書いていきます。
設定がいい
まず設定が良い、本当に良い。
人助けが好きな勇者に酒好きの僧侶…力持ちの前衛ドワーフに魔法使いのエルフ…この4人パーティが10年かけて魔王を倒しました。王様や町の人々から祝福され銅像が立ち、飲めや歌えやの大騒ぎを行い世界に平和が訪れました。めでたしめでたし…
そこからのストーリーをエルフの視点で描いたのがこの漫画。
魔王を倒した世界の後日譚として勇者の意思を継いだものが世界を回る…というような話はたまにありますが、エルフの寿命が長いというファンタジーのお約束をうまく使って"勇者が死んだ後の世界を同じパーティのエルフが回る"という設定に引き込まれました。これ、中々なかった設定なのでは？
主人公は長寿のエルフであるフリーレン。勇者の死後に思い出の地を巡ったりその地で出会った人と交流したり切なくもどこか暖かいストーリーです。
悠久の時を生きるエルフと人間の"時間"に対する認識のずれからくる切なさが凄く良く描かれています。魔王を倒すために旅した10年を「短い間だったけど」と言い、50年に1度の流星群を見ながら「じゃあ次。50年後にもっと奇麗に見える場所で見よう」と言うフリーレンに少し驚きつつも優しく見守る勇者たち。
久々にあった仲間達は老い、また一緒に旅に出ようと誘ったドワーフには「もう斧を振れる年齢じゃないんだよ」と断られ、子供だった弟子にはいつの間にか背丈を抜かしてしまう。
周りの人間がどんどん変わっていく中、長寿であるエルフは何時までも変わらず、1人だけ時間が止まったかのような世界に生きる…その切なくも美しいストーリーが最大の魅力です。
時間の表現がうまい
エルフの時間軸にストーリーを合わせているので1話で数年、下手したら数十年経過するわけですがそれを表現するための間の使い方がうまい。旅の行程をセリフなしで描くシーンではその1コマ1コマから壮大なストーリーが想像でき、次のページで数年後となっていても違和感なく物語へ入っていける。
英雄だった勇者は平和な世界では伝説として風化していき、かつて世界を絶望に追い込んだ魔王の魔法は陳腐化し簡単に対処される。
全てが過去になる中、フリーレンだけが変わらず時間に取り残されている…と思いきやフリーレンも変わっているし、変わらないものもたくさんあるというバランスが魅力です。
台詞回しが良い
死んだら無に還ると考え祈る事に価値を見出せないドワーフに対して僧侶が祈る意味を伝えるシーン…「どうして子供を助けたの？」「勇者ならそうしました」と語るシーン…
時間や死をテーマとして扱う事が多いので物悲しくなる事が多いのですが、その中でも救いのある印象的な台詞が絵の雰囲気と合わさってグッとくるんですよね。
説得力のある絵
時間をテーマにしたファンタジー作品という中々難しい題材なのにしっかりとした説得力があるのは画力のおかげでしょう。
このペースで連載大丈夫か？と少し心配になりますがそれくらい素晴らしい絵と世界観に引き込まれます。
巻数が少ない
まだ2巻までしか出てないぞ！全巻買っても1000円以下だ！今すぐ買え！
というわけで久しぶりにグッと来た漫画でした。
兎にも角にも試し読みで読みましょう！
