腐ったみかん

適当に書きます

妊活の話 子供が生まれて4ヵ月たちました

月日が流れるのは早いもので子供が生まれて4ヵ月たちました。

初めて寝返りをうつ姿に感動したのも束の間、かなり機動力が上がり「いつの間にそんな所まで移動したの!?」となる事も増えました。まだずりばいやハイハイしないのでいいのですが、気を抜くとあっという間に動き始めて色んなものを口に入れたりするのだろうな。それまでにテレビ台の下とか片付けないといけないから大変だ。

後は首がすわったのでついに高い高いが出来るように…!高い高いをするとなんとなーく笑っている気もしますが実際の所わかってなかったりするのかな。首がすわったのでお風呂入れたり抱っこしたりがかなり楽になりました。とはいえ体重も6kgを超えたので長時間抱っこしてると腰がやばくなるのですが…

 

今回は自分が経験した妊活について書いていきます。

 

 

妊活…不妊治療を約1年半ほど行い、運よく子供が生まれました。

不妊治療について知らない事がたくさんあったので啓蒙したい…というわけでもなくなんとなく書いていきます。でも誰かの助けになったりしたら良いな。

デリケートな話で当然明るい話でもないのでご注意を…

 

結婚したのは夫婦共に30歳の頃。結婚して1年くらいしてから子供作って~1人…いや2人は欲しいかな~なんて考えていたが中々子供に恵まれずその展望はもろくも崩れ去る事になる。中々子供が出来ず悩み、いつの間にか友人や同僚の妊娠報告にスッとおめでとうが出ない自分がいる事に気が付き嫌悪した。

自分としてはまだ30前半だし大丈夫でしょと口では言っていたが、奥さんの「あの時もっと早く始めておけばよかったと後悔したくない」という意思より不妊治療に取り組む事にする。今思えば検査を受けて自分が正常でないと診断される事が怖くて後回しにしたかっただけだったと思う。しっかりと奥さんが意志を表明してくれて良かった。

 

病院に行き夫婦で説明会に参加することにした。医師の第一声「ここにいる皆さん全員に子供が出来る事は残念ながら無理です」という言葉にいきなり面食らう。説明を受け知らない事がたくさんあった。

まず世の中の夫婦の1/3が不妊に悩んでいるらしい。1/3って思っていたより多くない?

不妊の原因はなんとなく女性起因のイメージがあるが男女半々くらい。当然知識としては知っていたがいざ当事者となって医者様から説明されると実感が違う。

 

不妊治療の第一段階としてまずタイミング法というものを行う。排卵日を検査して確定させそこでタイミングを取るという方法。

 

それでも出来ない時は人工授精にステップを進める事になる。1回3万円くらいで成功率は10%そこそこ。2回、3回と回を重ねるごとに確率は低くなって数%程度、6回やってダメなら次のステップに進めましょうという感じ。3万円で数%って確率低くない?とか考える。

 

最後のステップは体外受精。こうなると金額も跳ね上がって1回80万円近くかかるが妊娠成功率はかなり上がって40%くらい。市町村によって当然違うが助成金が年30万円近くでる…がそれでもお金はめちゃくちゃかかる。お金の問題で子供を諦めるのはどうなのかという思いと、いやお金は大切だしと言う思いがぐるぐると回る。

 

うまく妊娠しても初期流産確率は20%。2回連続流産する確率は単純計算で4%、もし3回連続流産した場合は今度は不育症の検査を受けないといけない。不育症に関しては大半が原因不明だとか。

話を聞けば聞くほどもう無理なのではとネガティブな事ばかりを考えるようになった。 

 

 

一通り説明を受けた後色んな検査を受け、夫婦共に少しずつ異常が見つかった。

 

自分の体が正常ではない、多くの人間が普通にこなしていることが出来ないと聞いた時は頭をガツンと殴られたような衝撃があった。その日からいつ子供を諦めるかという事ばかり考えていたしなるべく希望を持たないようにしていた、裏切られると辛いから。奥さんも同じような考えだったのか子供が出来たらあれしようこれしようみたいな話は全くしなくなった。治療を受けつつも子供について言及することを避ける重苦しい空気が流れていた。

体質改善にはストレスを溜めない事が一番ですと言われたがそもそも治療自体がストレスなのでストレス溜めない事なんてできるわけがなかった。

 

しかし、今考えると明確な原因があったから治療する目的に向けて歩むことが出来てまだ良かったのかもしれない。原因不明が一番辛いのだろう。

また夫婦共に原因があったのも良かったと思う。治療中は男女間で考え方のギャップが生まれてうまくいかない事が良くあるらしい、少しは共有することが出来たのは良かったと思う。

 

それでも不妊治療中は良くもめた、治療自体はどうしても女性側が主体となる。毎週のように病院に通い…決められた時間毎に薬を飲み…体質改善のために体を冷やさないようにして…と色々と頑張る奥さんを前に勝手にプレッシャーを感じていた。それが原因で離婚したり不仲になったから治療を中止したり…そういうこともあるらしいが気持ちはわかる。

 

 

1つ印象的な出来事があった。学生時代の友人が同じく不妊治療をしているとの事でたまに連絡を取っていたのだがある日「ごめん、子供出来た」と言われた。待望の妊娠なのに引け目を感じて謝罪するほど友人はメンタルを削られていた。

子供が出来た今その気持ちが少しわかる。人は他人の痛みには驚くほど鈍感だが自分が経験した痛みには敏感になる。幸福と不幸は表裏一体である事を強く感じた。

  

 

不妊治療は奇麗ごと一切抜きで時間との闘い。年に最大12回しかないチャンスが少しずつ減っていく焦燥感にメンタルが削られていった。

35歳までに出来なかったら諦めようと話はしていたが、実際その時が来たらどうしていたんだろうか。10回やってダメでも11回目でうまくいくかもしれないし100回やってもだめかもしれない。自分の意志で治療をやめる、子供を諦めるという決断をする必要がある…それが苦しかった。

 

 

娘の寝顔を見ながら毎日のように子供が生まれるのって本当に奇跡みたいなものなんだなと思う。

娘の未来が明るい事を願う。